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MMT(現代金融理論)「論」ウオッチング!

ここは「MMT日本語リンク集」(みてねー)の番外サイト。 MMT(現代金融理論)「論」をウオッチしています。 良い紹介、よい批評を読みたいよね!

Learn MMT 8: 複利による国債運用 主流経済学が見ないもの2

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Learn MMT 8: 複利による国債運用 主流経済学が見ないもの2

複利運用?
なにそれ?

ですよねえ。。。

どうも経済談義をする人、学者も含めてここにすごく鈍感な傾向があると思います。

それはある意味無理もないことで、そんなことに頭がちゃんと回る人は、法学部に行くとか、モルスタに潜り込むことを目指すとか、床屋政談してないで仕事(商売)に集中してたんですねえ。。。。

彼らはいつもいつも、いかに元手をデカくするかをいつもいつも必死になって探します。
複利運用の機会。

そんなものあったら絶対逃がしません。
これほんとにすごいですからね、金融工学!

モズラーのこの話、みなさんぜったい読み飛ばしてるでしょう?

ウオーレン・モズラー「命取りに無邪気な嘘 6/7

私の見立てでは、この嘘のために有用な産出と雇用の20%以上が毎年毎年捨てられている。これは人類史上、比類のない規模だ。

(中略)

 実際、議会が作り出す、支出(「需要漏出」と言われる)を減らそう減らそうとする税のインセンティブ構造こそが、私たちの購買力の多くを奪うものなのであり、結局はそれこそが、完全雇用を維持するために多額の財政赤字が必要になる事態を引き起こしている、当のものだったのだ。皮肉なもので、議会が貯蓄奨励税制を推し進めるのは、投資のためのお金と貯蓄しようと考えてのことのはずだった。財政赤字とは真逆のことをしたかったのに。

もちろん、もっと悪いことが起こる! 巨大な資金プール(この致命的に無邪気な嘘6で誕生したプールだ。貯蓄は投資されなければならない)は、将来の受益者のために管理され複利運用されなければならない。
問題は、連邦政府の赤字が必要になることに留まらない。これら、複利運用される何十億ドルもの資金が、あの恐ろしい金融セクターの基盤になることが問題だ。
金融セクターは何千人ものファンドマネジャーを雇っている。大部分は政府の規制対象になってはいる。ほとんどの資金は上場株式、格付き債券に投資されるが、一部は多角投資として他の戦略、たとえばヘッジファンドや商品パッシブ運用戦略に向かう。
そして、これら「肥大化したクジラ」を飼っていれば、必ずサメが現れる – 何千もの仲介や金融管理産業のプロフェッショナルというサメを生きながらえさせるのが、この第6の命取りに無邪気な嘘だったのだ。


恥ずかしながら、実は、にゅんオカシオコルテス、モズラーの真意がずっとほんと分かなくて翻訳公開をためらってたんですね。 ときどき考えたりして。

アレクサンドリアの話をよく聞いて、やっと気が付いた。
ほんとバカだった\(^o^)/

複利がそれはもう、めちゃ有利ってのは、頭では知っていたけれど、これがMMTと関係おおありで、はじめっからモズラーが書いていたって\(^o^)/


究極的にはこの話は、元金があれば金融のプロはそれをどんどんデカくする。
だから元金を補給すればするほど格差は広がる方向ですよ。
そんなストーリーにつながります。

うーん、、、 商売に向いていない人だと、これでもわかりにくいかもしれません。


でも、格好のわかりやすい例が日本にはあります!
日銀の量的緩和政策。
これで伝わらなかったら、正直、あきらめます。

ちょっと図でやりましょうか。
じーっと見て、ここで何が起こるかを深く想像するだけです。



図1 じっと見るための図




注目は、この三つ。
  1. 国民の資産である年金保険にある国債
  2. 銀行が持っている国債
  3. ディーラーたちが持っている国債
みなさん、この三者、みんな利回り同じじゃね?って思ってません?

いやいや、かなり差が付きますよ、これ。
圧倒的に劣るのが1です。
まず、もう、実力が違います。

そして圧倒的に勝っているのは、3でしょう。
(正確には、2と3のうち不採算部門がないところ)

だって、商売人視線で見たら、年金とか運用が下手すぎる。
要領が悪すぎる。
銀行は、特に地方銀行は不採算案件が多すぎる。


結局どうなるか。

国債利払いという財政支出の分配、ぜんぜん民主的ではないぞ!


これ、毎年いくらだよ?
どこに行ってるんだよ?



そもそもにして、もはや財源ではなくなった国債の二大機能とは、こうだったと。
  • 金融調節の手段である
  • 国民の貨幣貯蓄手段である


もし、国民の貨幣貯蓄手段であるならば、どうして政府が年金に直接金利を払わない?、というのが一つ。

もう一つは、年金、国債のプライマリーディーラーに入っていないの

という謎です。

政府が本当に国民を思うなら、せめてまず、年金に優先配分しますよね?
何なら、国債という名前でない、「専用の債務」を発行できますよね?

もしそうしているなら、教えてくださいな。
年金が国債を、直接買えていないのであれば、壮大な中抜き構造がここにある。

で、年金がもう一回市場に投資していてたら、そこでも、たぶん負ける。
お、一句浮かびました。

年金は そこでもたぶん また負ける


だって、市場でサメたちと戦って、年金が勝てる理由がなくないですか?

さらに。
財政赤字が続いて、それとぴったり同額の途方もない額の、国債が毎年発行されると、わかっていたら??
日銀が、どんどん買うと、わかっていたら??

市場価格で売買するだけでも、複利でふやせますよ、これ!
こんなにうまい話はない。

さらに。
3のセクター、企業の株の持ち主たちと極めて近いところにいますよね。


利益性の高い株を選んで投資する。
 ↓
彼らの収益は市場平均をはるかに上回る(当然)
 ↓
銀行の収益は下がる
 ↓
国債を買うシェア上がる。


このサイクルが回ったとき、労働者はどうなるだろう。
金融の規制緩和、労働の規制緩和が同時に起こったら?
年金や日銀がインデックスで株をただただ買っていたら?

なんかすごいことができそうだ。

このへんで。




そうだ、そうだ、数学が得意そうな左翼の先生といえば!

松尾匡先生?


上の説明で伝わらないところはありましたか?
よろしければ、ちょっと計算してみていただけませんか?
毎年毎年、国債の利払いって、いったい、どこに行ってますかね?
計算しない理由、ありますか?



Learn MMT 一覧

 その1 万年筆マネー・内生的貨幣供給論
 その2 ケルトン VS クルーグマン もしくはクラウディングアウトの嘘
 その3 国債、それは何のため?
 その4 財政支出が金利を下げる
 その5  国債、それは何のため? パート2
 その6  金融調節と量的緩和
 その7 債務ピラミッド IOU、主流経済学が見ないもの
 

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