MMT(現代金融理論)「論」ウオッチング!

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MMTレンズを身に着けよう!その5:財政スペース② 遊休資源と「より良い社会」の話

戻ってきましたMMTレンズ シリーズ!


 その0:エレファント・イン・ザ・ルーム
 その1:象がいない「主流」ビュー
 その2:MMTビュー簡略版(とデフレ経済)
 その3:「財政に従属する金融政策」とは
 その4:おぼえよう!財政スペース
 その5 ← 今回はここです!


「財政赤字が必要って言うけれど、いくら必要なの?」
「デフレ脱却して2%のインフレにするまで、どのくらい財政支出ができるの?30兆円?」

こういう考え方をする人がいます。
しかし、それは「まったくダメな主流さん」
池戸万作さん、ほんとやめてくださいね!

じゃあ、MMTレンズだとどうなるか。
それは、「まずリソースを見よ」です。



さて前回の話ですが、政府は

 ・財政支出

 ・減税

のどちらかの方法で「財政スペースを使う」ことができることを説明しました。
そして、じゃあ、その違いは何だろう?を考えてもらいました。

その違いは、政府が社会の中のリソース(労働力や設備)を使うか使わないかにあります。
ここは完璧に違いますよね。


財政支出は、「リソースを丸々を使うことができる」のに対し
減税は、「リソースと資源をぜんぜん使わない」ということです。
これは、事実。

まず初期状態の図ですが、注意点があります。

図5-1 初期状態
注意点ですが

上の実物資源は
 リソースの現状
下は民間にあるマネーで
 「さかのぼると」どこから生まれたかによる分類

なので、下はいわば昔話。
だから上下の対応は全くありません! これが注意点。


では、三つのケースで見てみましょう。
 ケース1 財政支出でインフラ整備
 ケース2 減税その1 富裕層に恩恵
 ケース3 減税その2 庶民に恩恵


ケース1 財政支出でインフラ整備

こうなります。
図5-2 財政支出でインフラ整備



財政支出でインフラ整備をすると、設備や労働力が使われます。



ケース2 減税その1 富裕層に恩恵

こうですか。

図5-3 減税その1 富裕層に恩恵



トランプ減税のように富裕層を狙った減税をしても、富裕層は生活水準をそんなに変えないのでリソースの稼働はほとんど変化がない。でも、カジノで遊ぶ金額がちょっと増えてそこの従業員の仕事が増える、みたいな間接的効果はゼロではないかもということで。


ケース3 減税その2 庶民に恩恵

じゃあ、同じ減税でも庶民に対してだったら?
おまいらどうですか?

これは予測が難しい。でも、富裕層よりは行動を変えるだろうということで。
日用品の質を良くしたり、おかずを一品増やすとか。
それは、その日用品やおかずを作る仕事を純増させます。

こんなもんですかね。

図5-4 減税その2 庶民に恩恵


消費税廃止のように、庶民に恩恵が行く減税は、庶民の生活が大きく変わり、支出が増えるためそれを賄うための生産が増えます。そのため、ケース2に比べ民間が多くのリソースを使う。


さて、本題行きましょう。


社会を良くする政府

とうとつですが「社会を良くする」。

そもそもで、国民の代表である政府の仕事はこれ「社会を良くすること」以外にないですね??

イメージはこんなん。お金の話だけではなくて、制度や規制も全部「社会を良くする」ためであると。


図5-5 社会を良くする政府



それじゃあ、政府はどうやって貨幣制度を利用して「良さ」を増やし、「悪」を減らすのか。

図にしてみましょう。初期状態はこんな感じ。


図5-6 社会を良くする政府とマネー(初期状態)

この図から、財政政策で社会を良くしてみましょう。

図の中で実物資源の真ん中のところが「いま使用されていない資源(リソース)」です。

「スラック」というのは「緩み」とか「遊び」という意味で、典型的なのは求職中の失業者がやっていない労働であったり、動いていない工場とかですね。

では財政支出の場合。
内容は何かのインフラの整備でも、AOC記念幼稚園の設立の補助とか(これもインフラといえばインフラ?)、まあなんでも、社会を良くするためのものとして。


図5-6 財政支出で社会を良くする

こうして社会が良くなりました。

次に、税はどうでしょうか。

税は、財政スペースを広げる働きをするとともに、社会の「悪」を除去することができます。

図5-7 税で「悪」を除去する


ここで「悪」とはどんなものでしょうか。
タバコやギャンブルもそうですが、不平等や過剰な投機も「悪」と言えるでしょう。

ここで、貨幣に関して重要な悪がありますね。
それは「耐え難いほどの物価上昇(インフレ)」です。

インフレについては次回以降にやりますが、インフレは供給能力に対しての「購買力」が強すぎることによって起こります。

税は、社会の供給量(総生産量)に対する購買力が強すぎる時に、この「強すぎる購買力」を除去します。これが重要な機能です。

一応、図にしておきますね。


図5-8 供給力と購買力のイメージ


「その赤いのなんだよ!」
という声が聞こえそうですが「その1」で出てきたやつなので、復習をおねがいします!


そろそろまとめますか。


図5-9 G - Tが社会を良くするの図


政府は法律や規制以外に、 貨幣制度を使った財政支出(G)と税(T)という手段で社会を良くすることができます。

ここなんですけどね。

これって「MMTだから」そうなるのではなく、MMTレンズによる今の制度の描写です。

このMMTビューでこんなことを考えてみてください。

Q:「GとTの数字の差にはなにか意味はあるだろうか?」

→ いわゆる「財政収支」。
  こんなの意味ないですよね?
  大事なのは、社会がどれくらい良くなるのか。それだけ。

Q:「政府が社会を良くするために何ができるのか、どうしたら一番良くなるのか。」

→ すべての資源が最大限に効率よく社会の改善に役立っている状態。
  何が最善かは選挙で決めるとしても。


あとですね。

中央銀行が貨幣発行しているという主流ビュー、あれ、どんだけ「雑」かって話ですよ(太郎風)。
図5-10 再掲 主流ビュー


これって、なんか、中央銀行が金利を変えると貨幣量が変わって

「なんだかんだで、とにかく、全体的に、景気がよくなったり抑制できたり」

っていう話でした。

でも。

もうおわかりのように、政府は毎日経済に直接手を突っ込んで、米軍基地の準備したりナントカ学園に助成したり消費税を始めとした財政政策によって日常的にB+Mを増減させているわけですね。
貨幣量の変化というなら、財政政策による日常的な変化のほうがよほ大きいやんね、という話。
象を隠す。
  


それじゃまとめ的に最後に二つ。
くどいですが、これも「MMTをするから」の話ではなくて「MMTレンズではどう見えるか」ということですので。


財政政策(財政支出と税)の判断基準の話

ある政策を実行するかしないかは、どれだけ社会を良くするかという観点だけから評価します。金額は全く関係ありません。

インフレ率は、供給力と購買力の変化という観点で気にします。

財政支出や減税は貨幣を増やすので購買力を増やすことになりますが、その支出で有給資源が有効利用され供給も同時に増えるならインフレ圧は相殺される、という具合ですね。


「適正なインフレ率「適正な財政支出額」なんて決められるわけないよねという話

上で「耐えられない程のインフレ」というような言い方をしました。
ケルトンがよく使う表現です。
決して数字や、「目標」という言葉を使いません。

それはなぜか。

それは、耐えられないインフレも「悪」の一つ、一部でしかないから。
社会全体が「すごく良くなる」ならば少しくらい物価が上がっても全然構わない。
弱者が守られ、所得が上がっていれば悪ですらないわけで。

財政支出の「額」の話はもっと雑で、だいたいにしてその内容の話が先でしょうというわけ。




今回はこのくらいで。

このMMTレンズシリーズですけど、GIFアニメを使ってジョブギャランティーの説明したいなってのが動機なんですよね。

残るテーマとしてはその「ジョブギャランティーの話」、そして「金融不安定性の話」、あとは、「インフレ目標がなぜダメか」、くらいですかね。大きいところとしては。

あとちょっとですよ!??

あ、「金融政策がなぜダメか」もあったか…



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