MMT(現代金融理論)「論」ウオッチング!

ここは「MMT日本語リンク集」(みてねー)の番外サイト。 MMT(現代金融理論)「論」をウオッチしています。 良い紹介、よい批評を読みたいよね!

プログレッシブ宣言! feat. 大石あきこさん!

今回はちょっと雰囲気変えて、日常の調子で飲みに行っておりまして。


【にゅん氏なじみの小料理屋にて】


「大将こんばんは!」

「にゅんさんいらっしゃい。今夜はカウンターで二名様だよね?予約とか珍しいね!」

 「そうそう、ありがとう。大将、もしかして大石あきこさん(ご本人サイト)って人知ってる?大阪の。その人が来るんだけど。」 

「おー、知ってるも何も、自分大阪出身ですからね。橋下府知事の最初の朝礼でその人が立ち上がって知事に噛みついたニュースはよく覚えるし。たしか新知事が、若手職員だけに一斉メール送って『職場に不満があったらどんどん自分に言え』ってやったんだよね。」 

「そうだっけ。」

「若いのにしてみりゃあ、そんなこと言われても困っちゃうわなあ、直属の上司に言って通じなかったらってならわかるけどよ。」

「大将、わかってるね。サラリーマンやってたっけ?」

「で、奴はその朝礼で壇上から『始業前の朝礼が時間外だって言うなら勤務中のタバコも私語もオレは認めないぞ、給与カットだぞ』みたいにぶったわけだ。ガキか。そこでだ。我らが大石、作業服のまま思わず立ち上がり、こうタンカを切ったってわけよ。「ちょっと待ってくださいよ!」って。ありゃあスカッとしたもんよ。よくぞ立ち上がった!(うっとり)」 

「(そうだったのか)」

「で、たしか、さいきん公務員やめて選挙に出て、、、ってにゅんさん知り合いなの?」

「いやね、その大石さんからメールをもらってさ。なんでもMMTに関心があるとかで、にゅんブログなんてもんを見つけてくれて質問があるって来て。それで、ちょっとやりとりしたら面白くなってきねえ。だって労働運動やってるって言うじゃない。大将にはいつも言ってるけど、いまMMTに足りないのは労働運動でしょ。それじゃあ、実際に対談をやってそのままブログネタにしちゃえばってことになったんよ。」

 「うわ、そりゃ合うね。」

 「それでほら、ブログでMMTレンズシリーズやってるでしょ。あれって、JGPをGIFアニメにしたいってだけなんだけど、書き始めたら結構説明が長くなっちゃってて。」

「あれはあと何回くらいなの?」

 「内容的にはあと三回分くらいだけど、一人でやってると表現が行き詰っちゃうんだよね。それで筆が進まないし、聞き手役みたいなキャラを入れたいイメージも出てきて。ダメ元で大石さんに打診してみたら乗り気になってくれたというわけ!」 

「へえ、そいつは楽しみだ。」

「ただねえ、大石さんって松尾匡先生と行動を共にしているわけね。緩和マネーの。。。それで、ブログとかでもこの店でもさんざん批判してたやん。あー、薔薇マークもやったし。そのことを大石さんすごく気にされちゃって。」

「そりゃそうだろうね。あんなの見たら。」

「でもよく聞いたらねえ、松尾先生は関西では労働運動を先導している大きな存在だとかで、まあこっちは匿名をいいことに、ちとやりすぎたかなと...」 

「まあ、そこは素直に下手に出るところだな。『にゅんさんのやっていることは左派の分断です!』とか言われるかもよ!」

 「あはは、そんなこと言ってて『ちょっと待ってくださいよ!』って登場したらどうすんの!カウンターの下に隠れるか(笑)」

【大石さん登場】


「あっはっは。あ、らっしゃーい!」


「大石です、こんばんはー」

(起立して)
「(…怖くなさそう)こんばんは。自分がにゅんオカシオコルテスです!」

「(...リアルでハンドルネーム?)ど、どうも、こちらのお席でよろしいのですか。失礼します。」

「さっそくですが、じゃあ流れでお話よろしくお願いしまーす!飲み物どうします?」

「それじゃ、とりあえずビールでお願いします。ええと、MMTなんですけど、私も薔薇マークの活動でケルトン教授の来日講演に関わるなど、反緊縮運動の中で世界で話題のMMTというものがどのようなものか見極めてみたいと考えているので、このお話は願ったりかなったりではあるんです。」

「この企画のきっかけは、大石さんからメールをいただいたことでした。自分が翻訳サイト道草で紹介した、とあるレイのエントリの内容についてでした。まず送信者のお名前を見て、え~!あの大阪で薔薇マークの大石さん??ってまずびっくりしたんです。ご質問は結構マニアックなところで、真面目な方だなあという印象でした。そもそも翻訳テキトーなんですけど。。。」

「今はそのレイさんのご本を読み始めています。これまでは情報が少なくて、勉強会に参加して望月さんのレクチャーを受けたり、にゅんさんのブログ読んだりもしてはいるのですが、むつかしいです。でも、労働運動に思い入れのあるものとして特にJGPの考え方をよく理解したいと思っています。あと、「反緊縮」のキャンペーンに参加してるので、納得のいったことから発信していきたいなぁと」

「それは松尾匡先生を中心とした運動のことですね。松尾先生のことはブログでも批判的に取り上げたり、ツイッターで失礼なことをさんざんいってしまったこと。。。あらためて、お詫びいたします。実は大石さんからご活動の話を聞いてびっくりしたんですよね。」

「ほんまですよ...。松尾さんむちゃがんばってるんですから。私のほうも、MMTとニューケインジアンとでは理論的な違いがあるということは聞いていましたが。でも!ブログとかタイムラインをのぞいたら本当にひどい言われようで!
正直、その『実績』からしてMMTerの皆さん簡単には信用できませんけど(笑)。まあ当面は警戒しつつ、勉強させてもらえれば。」


「MMTのJGPは金本位制ならぬ『労働本位性』であると言われるほどで、だからMMTは社会における労働の価値を極めて重視する学派なんですよ。貧困層出身のAOCがMMTを支持するのも、理論そのものが貧困や格差問題とマッチしているからと言えると思います。ですから、皆さんのご活動とMMTの相性が悪いはずがないんですよねえ。」

「なるほど。では、なぜあんな…」

「言い訳に聞こえそうですが、大きな理由は、いわゆる金融政策というものの理論的な位置づけの違い。これはもう決定的なところでしょう。これと関連として初期アベノミクスの評価も正反対です。もちろん、だからと言って何の運動実績もないブロガー風情が、数十年間に渡って労働運動に取り組まれて来られた方々へのリスペクトを欠いた表現をしたことは本当に失礼でした。反省しています。」

「殊勝なところもあるようですね。人としてどうなのかレベルの発言も見ましたからね...。」

「現状犬キャラですしね…」

「笑。できるだけ双方のリスペクトの上で、その理論的な違いというのも今後の対話でぜひ説明してください。」


【MMTとは、という話】

「それでは、まず、大石さんからはMMTってどんな風なものとして見えているのですか?」

「MMTが日本で今年ごろから急速に話題になり、当初は、なんだか私には都市伝説みたいで。薔薇マークの朴教授がレイさんの要約を作成しましたが、私には独学はむつかしいなあーと。7/17にケルトン教授の講演をお聞きして、記述的(説明的)な側面と、処方箋的な側面を持つとおっしゃっていました。処方箋的な側面をもつということから、現代社会に問題があると考えて理論化したんだなと思い、興味は増しました。特にJGPのところで、本人がやりたくない仕事でもやらされちゃうのか?との質問に対して、そうじゃなくてその本人のあるがままを受け入れたり、地元で通えて、本人の能力を活かせることを目的にしてる、といった回答をしてて、お金換算の冷たい学問ではなく、正義をうったえているんだなと思いました。」

「なるほどお、さすがケルトンと思います。世間的には、『政府に財政制約はない』『インフレになるまで財政支出せよ』という理論という認識が強いと思うんですよね。」

「確かにそうした話をよく見かけます。」

「それらが全然違うとは言いませんが、理論の骨格部分が伝わっていないと思うんです。そもそもマクロ経済運営の目的は、一般的に言えば、まずは経済の安定、中心的には雇用と物価の問題を扱い、それを踏まえて成長や格差といった問題に広げていく。そういうものではないですかね。これはニューケインジアンを掲げる松尾先生も同意されると思います。」

「今、日本で流布されているMMTへの理解がまだまだ浅いところがあって、MMTの雇用や物価への考え方など、骨格への理解が大事ということでしょうか。そのあたり、もっとよく聞かせてくださいますか?」

「大きな流れで言えば、MMT創始者であるモズラー氏が70~80年代の米国を生きて、マネタリズムやニューケインジアンの経済学を背景とした政府の経済運営とその帰結を観察し、政策が根本的におかしいんじゃね?という疑問を抱いた。彼はそこから財政支出や徴税の実際のオペレーションを詳細に分析し、『事実はこうなっているのだから、政策はこう考えるべきですよね?』という主張をした。MMTのこの骨格はぜんぜん変わっていないと思います。」

「えっ。ニューケインジアンなどへの疑問からその学問が発していると?」

「ニューケインジアンへの疑問より先に、そうした理論に立脚したことになっている政策への疑問があった、と言うのが正確かもしれません。ケルトンの言葉を借りて表現すれば、政府のオペレーションをきちんと「記述」して経済を捉えなおすと、1970年代から政府によってずっと行われてきた「処方箋」は、てんでおかしくて、それが2007年の金融危機で証明されたんじゃないか。MMTはずっと警告を発してきたし、起こってしまった金融危機によって大きく注目はされるようになったという流れがあります。」

「そうなんですか。知りませんでした。私、学問がどういう経緯で出たのかが一番大事だと思うんですよね。私の勝手なイメージでいうと、今の支配層のやり方(貨幣に関する)への痛烈な暴露と、その背景に何か反骨なものを感じていました。」

「まあ、支配層への反骨という意味では名前が出たモズラーとケルトンは薄い感じがありますねえ。NOCの印象では...」

「あ、ちょっと割ってごめんなさい。NOCてなんですか?」

「にゅん・オカシオコルテスの略ですが...」

「まじですか(笑) にゅんさん、プロフィールに『AOCは嫁』って書いてて、やべぇ奴なんじゃないかと思ってました。」

「えー」

「とりあえずNOCを了解...(笑) ええっと、話は戻って、モズラーとケルトンはMMT派の中では反骨精神が薄い感じ?」

「特にモズラーという人は成功者ですから、いわゆる支配層に属する知己も多くて、NOCから見ると誰かへの怒りというよりも、世間の人々の思考を含めた大きなシステムの根本的なおかしさ』を問題にしていると思います。その意味では、こんど来日するミッチェルとレイはいわゆる反新自由主義、とくにミッチェルですね。彼が日本について何を話してくれるかは実に楽しみです。」

「私も、反骨を期待します!」

「あとですね。大石さんも関心を持たれたというJGPは、MMTのド中核の要素です! 何故かというと、貨幣、物価、所得、金融システムといったことをまっすぐに考えていくと、必然的にJGPが要請されるんです。」



【MMT受容の現状と『雇用』】


「海外の新しい考え方が輸入されるときって、どうしても最初は何かが抜け落ちたり、少し歪んだ形で紹介されたりするものですよね。現時点のMMTの場合は、物価と雇用という根本的な問題意識がかなり希薄になっているように感じます。それどころか、この二つが大きな論点であることが、まだほとんどの人に伝わっていないのではないでしょうか。」

「抜け落ちる原因は何だと思われますか?」

「別に誰かが悪いとかではなくて、最初の紹介者である中野剛志さんを筆頭とした皆さんの論点には、当然ながらMMTとは別のところもあるから、というのが自分の見立てなんです。MMTが日本の論壇に最初に紹介されたのは、中野さんの大著『富国と強兵』ですが、本の主題はMMTではありませんし、それに続いたみなさんもそのような構造があります。藤井さんには国土強靭化論がある、というように。」

「ほうほう」

「それで、いまNOCがとても憂慮していることがあります。」

「どのようなことでしょうか?」

「MMTの議論からは出てくるはずがない話が、『MMTではこうだ』と語られることが結構見受けらることです。ひどい場合は、MMTとは正反対のことを言っていたりします。たとえば、
『MMTでも金融政策が重視されていて、インフレが昂進したときには中央銀行の役割が期待されている』
『MMTとは、少なくともデフレ環境下ではいくらでも政府支出をすることができるとする理論だ』
『MMTは財政政策でインフレをコントロールする』
『とにかく国債発行せよ!』
とか。。。」

「つまり、『MMTは金融政策を重視する理論ではない』『MMTはインフレやデフレをコントロールする考えではない』ということなんですよね? 違うのにそうだ、と言われるのは気持ちが悪いですよね。 ただ、そもそもマクロ的に経済を把握するのが難しくて直感的でないことも、議論の錯綜の要因とは思います。あと、私自身が思い当たる感覚として、”政治・政策的な文脈で「結果として同じ」なら大胆に「同じ」って言っちゃえ!的なところはありますかね。例えば、私が選挙のとき掲げてた、消費税減税や、介護の所得倍増、といった政策は、ニューケインジアン派もMMT派も「YES」って言いますよね。でもそれが「デフレ脱却のため」を含むのか、そうでないのかはそぎ落とされているとは思います。まだまだ抽象的という課題もありますね。」

「そうですねえ。そこはインフレだのデフレだのいうときの物価観がぜんぜん違うんです。えーと例えば、さきほどモズラーの名前を出しましたけど、彼の説明でも米国の70年代の物価上昇はどう見ても貨幣が原因じゃなくて、中東諸国がカルテルで原油価格を高値を維持したという事実だけで説明できるのだと。でもそのときフォード大統領は、インフレは悪いものだ!という強力な政治キャンペーンを推進して労働組合を攻撃したのですよ。労働組合が強すぎて、組合員は仕事をしないのに高給をはんでいるからだ!という洗脳ですね。」

「あー聞いててムカつきます!日本でも80年代に国がマスメディアをうまく利用して国鉄労働組合を攻撃したのが有名ですよね。」

「そのインフレは原油価格の下落や緊縮財政で沈静化し、その後は世界的な分業の進展などの理由で高インフレにはなりにくい環境になったのです。でも、権力はそうなったらそうなったで別の神話を構築していきます。つまり『政府の財政が危ない』、『デフレが悪いから金融緩和が必要だし有効だ』といった。経済学がそれを体系化します。そして政府の経済運営はいつもそうした言説や「理論」を前提として推し進められてきた。しかしです。そもそもの神話に根拠がないのだから、この30年以上の期間に渡るマクロ経済運営は、そもそもぜんぶおかしかったのではないか?企業と労働者(生活者)との力関係という観点ではひたすら一方的に企業側、つまりサプライサイドを強化するものだったのでは?」

「うーん、議論が一足飛びで理解できません...。私はずっと、いち公務員・労働者の立場で生きてきて、労働者や生活者を重んじる考えしかなかったですので、マクロ経済政策的なものに反感を持っていました。資本家を利するだけだろ、的な。MMTは、これまでのマクロ経済政策へのアンチ又は代替として、労働者や生活者を重んじる政策として登場したと言いたいのですかね?」

「そのご疑問は今後の対話の中でお話していきたいですね。そもそもMMTの権力を疑うこの姿勢がほとんど伝わっていないのですよね。そして、その伝わっていない穴を埋めるべきなのは、マクロ経済政策のいちばんの被害者である労働者、生活者の立場からであるのが自然だと思うのですよね。つまり大石さんたち、あなた方です!中野さんたちに問題があるのではありません。労働運動側が出遅れているんですよ。遅すぎます。」

「遅すぎるというか・・・まさにそういう攻撃によって労組がガタガタにされてきた過程なんでしょうね。もはやNOをいう気骨さえ奪われた。でも、たしかに学者ばかりではなく、労働運動側がもっと出てこなきゃいけないですよね。”弱い立場の人を守る”思想を、観念や神学論争に終わらせずに、具体的な実践で検証・実証していける存在だから。」

「おっしゃるとおりですねえ。NOCは、いわゆる『左派』というものに勝手に期待しているんです。中野さんはじめ先行の皆さんは国家やインフラと言ったもともとの大きな問題意識をお持ちで、そこにMMTを引き付けているわけです。それは良いでしょう。しかしMMTの本質は、人々の毎日の暮らしの方こそ向いているはずなのですね。労働からの所得を安定化させることが経済を安定にするんです!あれ?これ初めて言いましたっけ?」

「中野さんも労働運動や左派運動を一緒にやってくれへんかな...。
労働運動とか左派運動をやろうとしてる学者さんって松尾さんとかその界隈だけじゃないですかね。それでは足りません。」


「まあその一方で、これまでの左派運動だって『国の財政が危ない』という別の神話にハマり、公共事業潰しに加担してきたのは隠しようのない事実です。というか、今でも...」

「左派にも色々あると思いますけど。民主党政権の『コンクリートから人へ』なんてスローガンは確かに左派の『公共事業』イコール『税金無駄使い』的な感覚になじむものではあったでしょうね。私は国がつぶれようとも人の生活を保障しろという、左派のなかでも過激とされる考えでしたが、多くの人にとって『財政収支が悪化すると国がつぶれる』というのは懸念材料でしょう。」

「ですよねえ。国の財政収支は問題ではありません。インフレもデフレも本当の問題ではありません。景気の問題でもありません。本当の問題は、第一に、労働力を無駄にすることです。資源のうち労働力だけの特徴があって、それはストックできないことです。働く意思と意欲のある人が仕事ができれば、その分の結果が生まれます。逆に言えば、労働者を失業状態、ワープア状態にしておくほど無駄なことはないんです。」

「私も労働の無駄が一番イヤです。住民のための仕事が本来たくさんあるのに、それとは違う仕事が膨大にあることに怒りを感じていました。民間でも同じだとは思います。それに、失業は人を殺しますし、一回きりの人生が、国の失策のせいで、不必要にワープア状態にされるのは本当に無駄で許せません。」

「そして労働者の所得が保証されることによって物価が安定します。物価の安定は密室の「金融政策」なんかでできるわけがそもそもないんです。それは途方もない嘘で、むしろ金融政策は民間債務を不安定化します。それに誘発される金持ちたちの投機の行き過ぎから、もしも金融危機に至ったときに、しわ寄せが行くのは弱者であり労働者なんですよ。同時に政府は金融資本を救済するですよ。こんなバカな話があるでしょうかね!」

「金融政策をディスってるんですよね。まあ、一義的には労働者の所得は保証されるべきだと思いますし、それで物価が安定だとか他の改善効果もあるならなおさら良いことなので、所得の向上を何よりがんばるべきですね。」

「利子率を上下させる『金融政策』に改善効果なんてないですよ、嘘ですよ、むしろ破壊的ですよというのがMMTが主張するところですね。そして、たとえ金融危機が避けられないものだとしても、その時に弱者そして生活者は保護されていなければおかしいですよね。このあたりがMMTのハートなんです。財政支出の仕訳などよりも。」

「そうなんですね。」

「『不景気の時は財政出動』という考えも「金融政策で対応」と同じでくらい滅茶苦茶におかしくて、それで得をするのはなんだかんだで政治に近い勢力が先になるに決まっています。生活者、弱者は必ず一番最後です。もちろん、景気対応の財政が嬉しい人たちは必ずいますよ。しかし全体で捉えると、それ自体が格差や不安定を生み出すわけで。」

「…今、ニューケインジアンをディスってます?(笑)政治的な統一スローガンとしては全然普通だと思いますけどね。MMTの理論的にはあり得ない、と。」

「財政の中身の話を飛ばして年間30兆円!インフレまで!とか、金額を先に言う人いるじゃないですか。しかもMMTですよ、と言いながら。」

「ああ、節操ないのはダメですよね。ただ、人々のために必要な予算の積み上げの結果として30兆円出せ!ならいいんじゃないですか?私はそんな試算を現場の人たちとしていきたいと思っています。ところでさっきからなんでそんなに怒っているんでしょうか?」

「そういう積み上げ計算が絶対に『先に』必要ということですよー。そんなのあたりまえに考慮しているよと言うのでしょうが、それだと政府に近い勢力に利用されちゃうじゃないですか。つまり、財政の内容こそを見よというMMTの出張と逆のことを言うことになっているからです。もちろん、誰でもそういた主張をしてもいいですよ。しかしそれを流行りだからと言ってMMTに抱き着いて語るなら、『嘘』を言っていることになりますよ、あれ。だって、少し考えても企業への助成と人々への助成だと、その意味も効果は違うはずですから。」

「とことんまで人々のためであること、社会正義に基づいたものでなければウソになりますよね。まあ何にそこまで怒っているのかは、私にはまだよくわかりませんが。正義感がすごくおありなんだなと言うことがよくわかりました!労組や住民の生活の役に立つような、具体的な運動をされている方々のあいだで反緊縮の考えが浸透していくなかで、理論の違いによって運動の方向性に支障が出てきたり、あっちよりこっちのほうがいい、という模索の中で、それぞれの理論の真価がわかったり、また止揚されたりするんじゃないでしょうか。ぜひそのプロセスをご一緒したいです。」


【プログレッシブの旗を】


「ところで『左派』という言葉ですが、MMT主導者のミッチェルは『進歩的(プログレッシブ)』という言い方をします。これが広まって、労働者や弱者の権利を大切にする『プログレッシブ運動』が立ち上がり、それが中野さんや藤井さんの大きな視点からの運動とうまく連携していくのがじぶんの理想なんです。」

「ほんとそうですねー。」

「いわゆる反新自由主義、反民営化の流れです。国民の権利と公(おおやけ)の役割りを尊重することがスタートです。だから政治的には反維新、反改憲ということにはなりますね!」

「異議なしです!そんなMMTなら、私も心強いです!」




「はい、まとまりました。では、このくらいにしましょうか。」

「えーと、この対談のタイトルは『プログレッシブ宣言』なんですよね、すごい決意を感じる言葉です。にゅんさんとしてはこの内容で終わりにするつもりですか?」

「日本にもプログレッシブという旗印はぜったいに必要だと確信しているのですけど、かと言って、NOCは旗を掲げて先頭に立つ気か?とか受け取られたならちょっとなあと。」

「今はそういう環境になく、お仕事の関係ということですかね。」

「まあ、そもそも能力も知識もないのです。うーん、正義を掲げる犬として、嗅覚が人間より利くせいか、人間たちの理解がどこか歪んでいるときにそれを嗅ぎつけることができる時もあるような気がするというか。結論として、やっぱり、MMTの旗を掲げるのは労働運動の現場の皆さん以外にないと思うワン。」

「なんでいきなり犬キャラに...(笑) さっき、最後に「プログレッシブ」の理想を語っていらっしゃいましたが、もしそうなれば日本の運動も海外の『プログレッシブ・インターナショナル』運動の潮流に合流していきますね。」

「こんなイメージがあるんです。中野さんらの活躍で、日本の大通りにもMMTのバスが走るようになりました。犬はバスに乗せてもらえません。そこで、バス停をちょっとづつ蹴飛ばして大石さんや松尾さんのような左派の方の家の前まで動かして行きたいなと。口にはプログレッシブの旗を咥えていて、乗り込む皆さんに持たせるわけです\(^o^)/」

「にゅんさんのこと、すごく噛みつくキャラとして、ツイートを拝見していましたが、実はそういうカワイイ柴犬設定なのですね(笑) 最近、プロフィール変えられましたよね。」

「見なくていいです\(^o^)/」

「JGPの回、また楽しみにお待ちしています。それじゃ、今日は失礼します。」

「お気をつけて」


(大石さん、帰る)


【そのあと】


「本物の大石さんって優しそうでぜんぜんジャンヌ・ダルクって感じじゃなかったね。」

「そうね、攻められるかと思ってたけど。」

「でもなんか面白いことになって来てない?」

「うん、もし大石さんMMTってなったらちょっと凄いよ。労働運動家ご本人とか、絶好ポジション過ぎるわ。心配なのは、緩和マネー論とか公共マネー論が。。。」

「でうれしすぎるからアイキャッチ画像作っちゃう!どうよこれ!」



「にゅんさん、犬。。。

そう言えばこんど藤井さんが労働経済学のビル・ミッチェル呼ぶんだよね。ケルトンのときみたく薔薇マークだっけ、あそこでまた何かやるのかね?」


「どうなんだろうねー。でも意気投合しそうだよね。バリバリ反新自由主義のミッチェルと反維新の旗手!それまでにうまくMMTに誘導できればいいんだけどねー」

【翌朝】 

「もしもし、にゅんさん、ツイッターみた? いまリンク送ったけど!

「え、うわー、バス乗っちゃってるし。。。

でもミッチェルの返事、いいなあこれ。『財政均衡を目指すべき』という世間の考えは緊縮バイアスがかかりすぎていると。その思考をやめて、『実物資源、とりわけ雇用をまず見る』というプログレッシブレフトの考えを推しすすめましょうよと。ほんと、成功を祈るばかり。」



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にゅん オカシオコルテス
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