(LearnMMTシリーズもエントリが増えてきたので、下に目次を付けてみました)
今回の話はレイの「入門」だと第三章第五節のところです。(
ここに翻訳らしきものが。。。)
だから、ブログで取り上げる必要ないかなあとおもって、Primerシリーズでは結局取り上げませんでした。
でも、たまたま先日こんなアンケートしてみたところ、ちょっと驚きの結果だったんですね!
そこで、説明したいのですが、やっぱりこの話をする「前」に、本エントリでは教科書部分の説明までを図でやってみようと。「前」ですからね!
高校の現代社会で習う、中央銀行の仕事。
- 中央銀行は景気に応じで金融市場のお金の量を調節する
- 景気が過熱した時は、お金の量を減らす
- 景気が悪い時は、お金の量を増やす
金融市場、といっても、結局この図で色を濃くした準備預金のところです。
本ブログ、primerその4でお話したように、銀行は日常的に政府や他銀行と、準備預金の貸し借りをしていましたが、そこのことです。
「コール市場」と言われます。
各銀行は法のきまりに従って、預金に対して一定量の「準備預金」を中央銀行に預金しなければなりませんでした。(本ブログだと、
primer「その1」)
そして、今回から「ディーラーたち」を銀行の仲間に入れました。
彼らも準備預金制度に参加しています。
基本図
まずは、景気が過熱した時。
「お金の量を減らす」ために、中央銀行が国債を売る。
図1 中央銀行が銀行に国債を売って準備預金を減らす
全部の銀行に国債を売る必要はありません。
準備預金の量を減らすと、金融機関相互の融通がそれだけやりにくくなります。その結果、コール市場内の金利は、「上がる」ことになります。
銀行は日常的に政府や他銀行と、準備預金の貸し借りをしていることは、primerその4で説明しています。この金利が上がるという意味です。
銀行にとってコール市場の「金利が上がる」ことは、コストが増えるということです。なので、企業などに貸し出すときの金利はこれにつれて上げる必要がある。その結果、銀行から借り入れる企業の負担となって景気が冷える、というしくみです。
ありそうな話ですね!
次は反対に、不況の時。
基本図からスタートして、「お金の量を増やす」ために、中央銀行が国債を買う。
図2 中央銀行が銀行に国債を買って準備預金を増やす
先ほどとは逆に、準備預金の量をが増えると、金融機関相互の融通がそれだけやりやすくなる結果、コール市場内の金利は、「下がる」ことになります。
銀行にとってコール市場の「金利が下がる」ことは、コストが減るということです。なので、企業などに貸し出すときの金利はこれにつれて下げる必要が、まあ、ある。でないと他銀行が下げてしまう。すると借り入れる企業は負担が減るから景気が良くなる、というしくみです。
まあ、ありそうな話ですね!
ところで、レイの入門だと、内生的、とか水平的、とかいろいろ書いてあるんですけど、一般人はあんまり気にしなくていいんじゃないでしょうか\(^o^)/
まあ、中央銀行が国債を買って準備預金を増やすと、いつかはほとんど全部の銀行が「準備預金、もう十分、もう預けたくありません」と感じるときがやってきます。
そこが、金利がゼロになるポイント。
ところが、そこまで行っても景気がよくなっていかない。
じゃあ、もっと量を増やしたら?
この発想が、
量的緩和というやつです。
図でやってみます。
図3 中央銀行が量的緩和で準備預金を「めっちゃ」増やす
なんか、不自然ですよね。。。
ちょっとめちゃくちゃじゃなの??
そう思いますよね?
でもですね。
これを真面目に考えた人たちが経済学の「主流」だったんですね。
ちょっとは効くんじゃないの?って。。。
なにをかくそう、NOC(にゅんオカシオコルテス)はすっかりそう思ってましたからね!
MMTの人たちは、この図のようなイメージでいや絶対効かないでしょ?と主張していた人たちの一派だったのです。
このへんで。
次回、量的緩和がなぜ引き締めなのか、という話は次回に。
Learn MMT 一覧
その1 万年筆マネー・内生的貨幣供給論
その2 ケルトン VS クルーグマン もしくはクラウディングアウトの嘘
その3 国債、それは何のため?
その4 財政支出が金利を下げる
その5 国債、それは何のため? パート2