ここは「MMT日本語リンク集」(みてねー)の番外サイト。 MMT(現代金融理論)「論」をウオッチしています。 良い紹介、よい批評を読みたいよね!
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理論的に説明すると言っても、「これがMMTの標準的な理論」というものが示されているわけではなく、論者によって曖昧である部分が多い。そこで本稿では、マクロ経済学者トーマス・パリーによる理論的な整理と反論であるPalley(2015)を元に議論する。
Palley(2015)はMMTを「よく知られたケインズ経済学を過剰に単純化(over-simplified)したもの」と評しており
MMTの中心的な主張は、自国通貨で国債を発行している政府であれば、中央銀行が債務の利率を決定できるので、中央銀行に紙幣を発行させればデフォルトすることはなく、完全雇用を実現して財政赤字が深刻な影響をもたらすようになるまで増税する必要はない、というものである。
増税に頼らずに支出を賄うということになれば、
- T:税収
- G:政府支出
- θ:国債発行額
- β:国債返済額
とすれば、以下が成立する。
T+θ=G−β(1-1) 変形して以下のようになる。
G−T=θ+β(1-2) 実際にこれを実行するとどうなるか、そして可能なのかが問題である。多くの国で(少なくとも表面的には)政府と中央銀行は独立しているのであり、この均衡条件を維持するように両者が堂々と協調して行うことは政治的に難しいというのが第一の問題点だ。
With regard to the capacity to finance spending without recourse to taxes this is easily seen via the government budget restraint given by
(1) G – T = θ + β
G = government spending, T = net tax revenues after transfers and interest payments, θ = amount of budget deficit financed by issuing high-powered (sovereign) money, and β = amount of budget deficit financed by selling government bonds.