MMT(現代金融理論)「論」ウオッチング!

ここは「MMT日本語リンク集」(みてねー)の番外サイト。 MMT(現代金融理論)「論」をウオッチしています。 良い紹介、よい批評を読みたいよね!

お題:【現代金融理論MMT解説(1):目新しくないのに実現は難しい】)(HALさん SlofiA)

いやね、このブログさっき作ったばっかなんですけど、MMTへのまっとうな批判が出てきたらうれしいな、出てこないかな、って楽しみにしてるんですよね。別にMMTと心中する必要ないですからね。。。

そしたら偶然、在野の、やはり異端の学者トマス・パリ―を引用して「解説」してくださる人がでてきたのかな?って思ったんです。こちらです。参考にされた論文は、こちらとのこと。

パリ―先生はこの元になった原稿を2012年から配っていて(謄写版だったらしい)、対してMMT陣営からはレイとティモワーニュが2013年にペーパーで他の批判と合わせてリプライをしていたり、まあその辺も併せて紹介してくれたなら(それもリッキー氏の翻訳まである(!)ので)有意義かなって思ったんですが!

理論的に説明すると言っても、「これがMMTの標準的な理論」というものが示されているわけではなく、論者によって曖昧である部分が多い。そこで本稿では、マクロ経済学者トーマス・パリーによる理論的な整理と反論であるPalley(2015)を元に議論する。

いえね、もしそうだったらすごくありがたかったんですけど、だったら明後日の話をしないでPalley(2015)を踏まえて議論してほしかったんですよね。パリ―先生は少なくともMMTの基本的な枠組みを踏まえた上で批判されているのだから。

Palley(2015)はMMTを「よく知られたケインズ経済学を過剰に単純化(over-simplified)したもの」と評しており

はあ、いきなりこれですか。。。まあ許容範囲かもですが、原文を見ればすぐわかる通り、「MMTはいろいろ単純化しすぎる」と何度も書いてはいても、さすがに「過剰に単純化したのがMMTだ」みたいに、そこまで失礼な言い方ではないと思うんですけどね。。。

まあそれはそれとして、問題はここから。ちょっと長めに引用ですが、藁人形建てて突っ走っちゃう。「MMTの中心的な主張は」として書かれているものが、拝見するとなんというかそれではない(パリーもそう書いていない)

MMTの中心的な主張は、自国通貨で国債を発行している政府であれば、中央銀行が債務の利率を決定できるので、中央銀行に紙幣を発行させればデフォルトすることはなく、完全雇用を実現して財政赤字が深刻な影響をもたらすようになるまで増税する必要はない、というものである。

増税に頼らずに支出を賄うということになれば、

  • T:税収
  • G:政府支出
  • θ:国債発行額
  • β:国債返済額

とすれば、以下が成立する。

T+θ=Gβ(1-1)

変形して以下のようになる。

GT=θ+β(1-2)

実際にこれを実行するとどうなるか、そして可能なのかが問題である。多くの国で(少なくとも表面的には)政府と中央銀行は独立しているのであり、この均衡条件を維持するように両者が堂々と協調して行うことは政治的に難しいというのが第一の問題点だ。



と、ここでわかってしまう。パリーはちゃんとわかっていてがHALさんがわかっていない大事なことがある、つまりパリー批判を読めていないやんて。つまらなーい!。
これはパリーから引用です。

With regard to the capacity to finance spending without recourse to taxes this is easily seen via the government budget restraint given by

(1) G – T = θ + β

G = government spending, T = net tax revenues after transfers and interest payments, θ = amount of budget deficit financed by issuing high-powered (sovereign) money, and β = amount of budget deficit financed by selling government bonds. 

と。ここです!

θ = amount of budget deficit financed by issuing high-powered (sovereign) money

こここそMMTの主張の核心の一つで、パリーは以下ちゃんとその点を踏まえて議論を展開しているんだけど、この筆者の方、失礼ながらやっぱ、これを何だろうと思うとか、レイの入門かモズラーの薄いやつで調べようとか、知恵袋で聞いてみようとかせずに、検索でMMT批判の文献を先に見つけて、それをご自分の先入観から、なるほどG-Tだから国債の出入りだなって思っちゃった。ここで紹介されているの、MMTでなければパリーによるMMT批判でもないもの、これはいったい何だろう。「単純化が過ぎると言ってる人がいるよ」くらいでよくね?

いや、そいういう間違いはありますよ。人間だもの。。。
好意的な「MMT解説」でも先日そういうの見ましたし。。。

でも、現代金融理論MMT解説と題して書いてあったのが違うものだったので「これはひどい」枠しかない。期待しすぎなんですかね??

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