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MMT(現代金融理論)「論」ウオッチング!

ここは「MMT日本語リンク集」(みてねー)の番外サイト。 MMT(現代金融理論)「論」をウオッチしています。 良い紹介、よい批評を読みたいよね!

井上智洋が「MMTとシンクロ」、ですって?

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井上智洋が「MMTとシンクロ」、ですって?

なんでも、MMT Gang 望月夜さんがメディア初登場でMMTの話をされると\(^o^)/

7月23日(火)16時~18時、ニコニコ生放送AWニュースに出演します。MMT四天王・望月夜さんメディア初登場です。スカイプ中継ですが。https://live.nicovideo.jp/gate/lv321065091 …「MMT論争パート2-MMT四天王・望月夜さんと語る-」【コメンテーター】井上智洋 【プロデューサーMC】 深川芳樹 https://twitter.com/tomo_monga/status/1152507884233560065

それはいいんだけど、ホストが井上智洋ってとこがすごく心配なんです.....
なので急遽、このことを表明しておこうかなと。

だって、井上はこういうことを書いていた御仁。

オレの本『ヘリコプターマネー』とMMTのシンクロ率は65%くらいかな。現ナマを家計に配れという主張なので、量的緩和を行うだけというのとは違うし、雇用保障(JGP)より所得保障(BI)だと思ってる. https://twitter.com/tomo_monga/status/1146246727139151878

MMTの特徴を三つ挙げていて、二つ(実はMMTの特徴ではない)が自著の主張と一致しているという。 

1.(MMTもオレも)現ナマを家計に配れという主張
 →ノー。それはユニバーサル・ベーシック・インカムにほかならない。MMTerは誰一人賛成してないもので、それどころかむしろそれは「労働者の待遇をギリギリまで削るための施策」、ネオリベ的!という批判をするのがMMT界隈では普通。

2.(MMTもオレも)量的緩和を行うだけというのとは違う
 →これは論点ずれていて。
だって井上は「量的緩和」に基本賛成で、それでは足りないという論?
MMTは明確に量的緩和に反対(国債購入は無意味、ETFやREIT購入は不公平な財政支出という主張)。シンクロというには無理がありすぎる。

3.(オレは)所得保障(BI)、MMTは雇用保証(JGP)
  →1に同じ...


ほらー、シンクロどころか、ネオリベBIを言うなら【逆シンクロ100】くらい、すよね??

思うに井上、シンクロさせたいなら、ずっと言っていた「信用創造の罠」論を撤回するか、そこに政府を補わない限りシンクロが始まらないのでは??

で、さらにもしその上で「民間信用の拡大は良いことと言えるのだろうか?」とか言い出すようになってくらたら、かなりシンクロしてきた?と、じぶんは言うかもです!

だって、ふだんの井上の主張って、こんなんですよ?

現行の貨幣制度では、中央銀行の発行したお金が民間銀行に入り、そこから民間銀行が企業に貸し出して、企業が賃金として従業員に支払い、これが家計に入るという流れになっていますが、これは回りくどい仕組みで、近年はうまく機能していません。ゼロ金利(マイナス金利)経済において、各市中銀行が日銀に持つ当座預金に無駄にお金が積み上がる「ブタ積み」が起こり、さらに企業が内部留保を増やすことで、お金の流れに二重の目詰まりが起きているのです。これでは、全然家計にお金がまわらず、消費も増えません。そこで、直接お金を家計に届けるための仕組みである変動BIが必要となります。

プレジデントオンライン「"全国民に月7万円"は日本を救う最善手だ」より https://president.jp/articles/-/24700?page=3

うーん、これはMMTとのシンクロ不可能でしょう。。。

シンクロ目指して順番に読んでいくと...

現行の貨幣制度では、中央銀行の発行したお金が民間銀行に入り、そこから民間銀行が企業に貸し出して、企業が賃金として従業員に支払い、これが家計に入るという流れになっていますが、これは回りくどい仕組みで、近年はうまく機能していません。

えっと、中央銀行の発行したお金って預金じゃなくてお札のこと?
これ、ぜんぜんちがいますよね。
貨幣は政府が発行しています。

シンクロさせるならこうですよね。

政府小切手で行きましょうか。

1.民間が政府から小切手(まあ、つまり現金)受けとります。これが貨幣発行
2.銀行はこの小切手を紙幣と「交換」するか、小切手の代わりに預金を設定します。どちらにしても「交換」。
3.中央銀行は、銀行から小切手を受け取り、その対価として銀行の準備預金の数字を増やす。これは「貨幣発行」というよりやっぱ「交換」...

とまあ、貨幣発行は日常的にこうなんですけど、いったい「近年うまく機能していない」とは???

ゼロ金利(マイナス金利)経済において、各市中銀行が日銀に持つ当座預金に無駄にお金が積み上がる「ブタ積み」が起こり、さらに企業が内部留保を増やすことで、お金の流れに二重の目詰まりが起きているのです。これでは、全然家計にお金がまわらず、消費も増えません。

これさあ、ゼロ金利(マイナス金利)であろうがなかろうが、上の貨幣発行には何の支障もなく..
シンクロ、無理ですー.

そこで、直接お金を家計に届けるための仕組みである変動BIが必要となります。

なんでや?? 家計の所得を増やしたいなら、消費税廃止とか、いくらでもある中でどうして「変動BIが必要」ってなるのー?


うーん、この人、こうしたトンデモ貨幣観を捨てて、せめてMMTと20%くらいでもシンクロしてこんな風に↓言ってくれるようになったらいいですね!
 
罠なんて、関係なかった!
オレたち、間違ってた!

そうしたら、心から尊敬します!!!



最後に、おまけとして、先ほどのページから印象的な部分を

わたしが変動BIの財源として考えている貨幣発行益は、政府や中央銀行などが貨幣を発行することで得られる利益のことです。たとえば、1万円の発行コストは1枚あたり約20円のため、残りの9980円が貨幣発行益になります(それは日銀の定義する貨幣発行益ではないという批判が予期されますが、貨幣発行益の本質はわたしの述べている通りです)。
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