少なくとも主流派なんかよりもずっとちゃんとしている。
でも、全体像の把握しようとすると、教科書も少ないし英語しかないから時間がかかりますよね。
そこで、にゅん流に、超ざっくり、モズラーの本より短くまとめてみようと。
そのために、海外部門をないことにして、政府と民間の二部門にしようと。
はい、それでは第二回です。
で、どこから手を付けようか。。。やっぱ財政赤字についてでしょうか。
国会で財務大臣が、財政赤字を気にしないのか!日本を実験場にしてはいけない!とか言いそうじゃないですか\(^o^)/
まあ、MMTの報道のされ方からして問題があって、たとえばあの「道草」でさえもこの記事のタイトルそのまま使っちゃった。(元記事が悪いんですよ)
ステファニー・ケルトン
「財政赤字は気にしなくていい」(2018年1月4日)
The deficit doesn't matter
この記事もインタビューですから、ケルトンに責任はないんです。
MMTは正反対にこういいます。
財政赤字こそ重要!
The deficit does matter!
ケルトンも月に一回くらいはそういっているような。
それはいったい、どういうことなのか。という話から。
1. 財政赤字こそ重要だ
1-1. 国の借金は怖い論、怖くない論のダメなやつ
ときどきニュースに流れる「国の借金」。
財務省から発表する「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」。
- 債務総額が1000兆円 とか、
- 一人当たりだと800万円を超えた、とか。
こりゃ当然次世代の負担だから。。。という。ふざけたことに財政学の先生もそういいますからね。
対して、これが、まったく反対に、
国の借金を怖れる必要はない、と論ずる人たちもいます。
- 国には資産があるからだ!
- 国債は、国民が買っているから大丈夫!
これらは、MMTからすると、正直「的外れ」ということになってしまうのです。
こんな記事もありました。
ビル・ミッチェル「政府のB/Sなどという愚かな道を行くIMF」(2018年10月16日)
では、どういう理由か?
1-2.通貨の総額って怖いですか?
ちょっと視点を変えて、たとえば日本に円があり、アメリカにドルがあり、中国には人民元がある。それもたくさんありそうだ。
そのそれぞれの通貨は、今この瞬間、全部でいくらある?
みなさん興味ありますか? その数字って怖いですか?
どうでしょう。こう言われたら通貨は「いっぱいある」に決まっているし、そのこと自体あんまり怖くないのでは。
それを一人当たりに割っても怖くない。自分の持ち分と比べるとどうだろう、くらいですか。
あれ?
でもしかし一方、MMTだと、貨幣は国の債務、IOU、借用証書であるという考え方をMMTはしますよね。レイの入門第三章とか。
それも本当です。
ただ、そう言い変えた瞬間に怖くなるわけではない。
「国の借金」だと急にちょっと怖くなる。これはおかしい。
もしそう思ってしまうなら、どちらかの「国の借金」の意味のどちらかが、たぶんいまいちわかっていない。
でも大丈夫!
このブログの過去ログで、OMFのこと、「財政赤字が国債をファイナンスしている」、といった話はOKでしょうか。
怖くないの理由は、
国が資産を持っているからでもなく
国債が国内で消化されているからでもない
1-3.常識的に考える通貨総額
当たり前っぽい話をします。
お金、ここでは国民が持っている紙幣と預金。これはこんな風に、経済成長につれてゆっくり増えていくんじゃないか。そんあイメージないですか?
自分はそう思います。
通貨はこんな風に、経済成長と同時にゆっくりと増えていくのが健全。
MMT流に正確に言うと、本当は、総購買能力がこんな風に増えていくのが健全、と思います。
この常識から出発してください。これはとても大事です。
先回りしていえば、前回名付けたモズラー資産、つまり、「円で買うことのできる資源を購入」するのはこれらの通貨によってしかありません。
MMT。せんじ詰めれば、こうです。
あなたの理想の社会を作るために、法定通貨というしくみによって、わたしたちの政府はモズラー資源をどう買い、どう使うのがいいのだろう?
という思考。
ゴールはここです。
1-4. あなたのお金の由来、それは二通り
あなたの財布や通帳のお金が、一番最初に生まれた由来は二種類に分けることができます。
- 銀行が企業や個人に融資したときに生まれたもの
- 政府が公共事業などので支出をすることで生まれたもの
MMTのポイントは、この二つを完全に区別することですね。
なんのためか。
上に書いた、「政府がなすべきこと」の話をするためなのです。
政府がなすべきことはいろいろありますが、一例をいうと、上記の通貨量はなるたけ安定化したい。(くどいですが、本当は総購買力)
民間銀行の貸出は、景気に大きく左右されます。不景気時、理想の国を作るために必要なモズラー資産が使われずに余ることになってしまう。景気が過熱したときは、政府が余計なことをすると過熱に拍車をかけてしまう。。。というようなイメージで考えます。
ちょっと似ているのが、企業会計のBSで、「総負債」を「借入由来」と「資本由来」に分けられると似ています。
おお、今気づきましたが\(^o^)/
ある意味、すごく似ています\(^o^)/
企業会計だと、負債で得た資金と資本から得た資金を合計した総負債、これを元手にして得られる総資本を使って、利益を創出を目指す。
国家は、自ら創出する通貨と銀行が創出する通貨を合計した総通貨、これを元手にして得た総資産(モズラー資本のうち購入されたもの)を使って、国民の最大幸福を目指すのです。
おお\(^o^)/
というわけで、細かい中央銀行の仕分けの話をちまちまやっていたと思ったら、一気にどでかい話に飛ぶ。このへんもMMTの面白いとこですね。 企業経営だって細かい社長いるじゃないですか!
それともう一つ。 こういう景気安定化の考え方ってすごく「まっとう」だと思いませんか?
でも、言うほど簡単じゃないですよね。
通貨の量と総購買力の関係はいったい?
いま巨大デパートで買えるもの、モズラー資産をどうしたら把握できるのか?
もし皆さん、もしいまお手元に財政学かマクロ経済学の教科書をお持ちでしたら、安定化のところを見てほしいです。
こうした観点からみると、主流派教科書の安定化政策って
そんなのが、まじめな言葉でずらずらずらずら書いてあると思います。
で主流さん、
「MTTは安定化対策がない」
とか言うんですね。
こうしてますます険悪になって。。。
まあ、協調するのは無理ではないでしょうか。
1-5. NM(National Money)という概念(仮)
あと少しやりましょう。
政府が創造した通貨と、そうでない通貨を区別することができるのか?
という問題。
できます。
なお、以下は、にゅん流です。
やって見せる方針としては、NM(National Money)という概念をまず考える。
すると。
NMは現在流通している通貨のうち、政府創出分と言える
同時に、
NMは政府の累積債務額と等しい
さらに
NMの増減は、政府の財政収支とぴったり一致する。
というものです。
定義をこうします。
NM = B + R + C
(B:国債残高 R:民間銀行の準備預金 C:流通硬貨・紙幣)
思い出してください!
- OMF、つまり「財政支出が準備預金を創出する」というあの話。
- 準備預金が国債にお化粧されるという話。
- 財政支出が国家債務をファイナンスするのだ、というあの話を。
さらに
- NMは徴税によってピッタリ同額減る。 これが通貨の破壊、です。
- NMは政府支出によってピッタリ同額増える。 これが通貨の誕生、です。
すると、次回に図で確認しますが、やっぱり
NMの増減は、政府の財政収支とぴったり一致する。
ということになる。さらに。
総理が言っている、「均衡財政を目指す」、その均衡財政とは?
政府創出通貨量は何が何でも一定額に決める!という気が狂ったような考え方。
こんな感じの。
徐々に均衡財政を目指す、のは最悪で、こう。
だめですよね、もう。
お、いまこんな記事をみてしまったですよ。
MMTの論理、実行しているわけではない=安倍首相
そうかなあ。
MTTをいちばんわかっているのはこの人じゃないかな。
通貨って誰かが持っている。あなたの預金や財布の紙幣。
これは全体として、抑えていこうと。
同時に、労働規制は緩和していこうと。
そうすると、銀行貸出も、ますます企業に、金持ちに集まるよねえ。
政府支出の方は。
ゼロにするわけでなく、庶民からは奪う一方で、なんだか気に入られちゃったりすると、、
うん、だからみんな、経済学の教えの通り、合理的個人として自分の利益が最大になるように行動しなきゃだよ。
「安倍総理大臣や麻生副総理が言えないから、私が忖度した」
これは最強\(^o^)/
というか、できないと死ぬ\(^o^)/
話が逸れました。
次回はこのNMについて、今度こそ図で詳しく!