五月の連休に遊ばないでまとめた「
にゅん流MMT入門」、今見ると色とか形とか直したいところがあるのですが、簿記を使わないMMTという点で、なかなかいいデキじゃないかなー\(^o^)/
そこでこのお盆は、あれを直すのよりも次のステップの解説みたいなのをしてみようかしらと。
そう思うのも、昨今、MMTの情報量は間違いなく増えている一方で、肝心の「MMTのビュー」というか、パースペクティブというか、経済全体の捉え方が明らかに伝わっていない。ここを補えるシリーズが必要なのではと思い立ったというわけ。
プロの経済系物書きや経済学者もそうで。たとえば、英語のMMT文献を読んだうえで批判していますよ、というテイの、佐藤主光、野口旭、東谷暁、白井さゆり、、、
この人たち、みんな「読んだ」そうだけど、「つかめてない」。
「主流のビュー」でMMTを捉え直す、ことしかやっていない。
というか、できない。
以前のエントリでも触れたウサギアヒルの話で、初めからウサギと思っている人にはずっとアヒルが見えない、みたいな。
これですね。
先入観がないあなたなら、描かれているウサギもアヒルも両方見えるでしょう。
でももし、幼少のころから「これはウサギの絵です」だと教わり、テストで「ウサギ」と書くとマルがもらえ、別の答えを書くと落第し、大学ではこれがいかにウサギであることについて「耳が長いから」とか根拠を挙げて研究したり数式を作ったりああしたりこうしたりすると...
博士になる頃には、これぜったいウサギだとしか考えることがでず、そうでない可能性なんて一切考えない専門家になってしまう。
「ウサギ性」を語らせたら誰にも負けない。ノーベル賞とかもらえるし!
そんなのがいっぱいいるわけね。
でもまあ、ウサギアヒルならまだ罪がなくて。
主流経済学は無害なものではなく、はるかに悪いものです。
今回のタイトルでしたが、この表現はご存知でしょうか。
「エレファント・イン・ザ・ルーム」
タブーとか暗黙の了解を表現したいときのイディオム、熟語、ですね。
なにしろ部屋の中に象がいる。
それなのに、部屋にいるメンバーの全員が、まるで象なんて存在しないかのように振舞っているような状況、というわけですね。
貨幣に関して主流経済学が見ない象は二匹います。
・「政府が果たしている巨大な役割
」という象
・
「巨大な民間債務
」という象
あと「国債」という象も見ない場合があったりしますよねえ。
MMTレンズ、レンズとしてのMMTはこれらの関係をはっきりくっきり見えるようにしてしまいます。
政策金利の影響など、ほとんどないことも見せてしまいます。
絶対に象の話題を出さないで政策金利の話に終始する人々の図
以上、今回は前置き。
次回のエントリで主流の貨幣ビュー、次々回でMMTレンズによるビューをまとめるつもりで。
MMTレンズシリーズ 目次
その0:エレファント・イン・ザ・ルーム その1:象がいない「主流」ビュー その2:MMTビュー簡略版(とデフレ経済) その3:「財政に従属する金融政策」とは その4:おぼえよう!財政スペース その5:財政スペース② 遊休資源と「より良い社会」の話